高校生
と、いった質問に解答していく。
高卒で消防官になる方法はとてもシンプルで、市や町役場が実施する「消防官採用試験」を受験して合格すれば消防官になれる。
しかし、消防官採用試験といっても、いつあるのか、どんな試験があるのか知らないと合格することは難しい。
そこで、消防官採用試験とはどんな試験なのか書いていく。消防官を志望する人は参考にしてほしい。
具体的な内容はこちら
消防官採用試験とは
「消防官採用試験」とは、市役所や広域連合が消防官を募集するための試験である。
一般的に消防官は自治体ごとに管轄エリアがあり、働きたい市町村の採用試験を受験する。
例えば横浜市で働きたければ横浜市消防の試験を、川崎市で働きたければ川崎市消防の試験を受ける感じだ。
全国の市町村で消防官採用試験を実施しているため、日程が違っていれば複数の自治体を受験することは可能だ。しかし、全国的に試験日は同じであることが多いので注意が必要。
先ほどの例であげた横浜市や川崎市の採用試験は同じ日に試験があるので、働きたい市の採用試験を受験しよう。
高卒で受験できる消防官採用試験 日程はいつ?
高卒の採用試験は9月をメインに実施されてている。
一部の市役所では7月に試験を実施することもあるが、数は多くない。
例えば消防官を目指す人の憧れである東京消防庁は9月7日(土)に試験が実施される(2019年)。
東京消防庁以外の政令指定都市(横浜市や名古屋市など)は9月29日(日)、その他の市町村は9月15日(日)に試験を実施する自治体が多い。
表にまとめると以下のようになる(2019年実施)。
一部の市町村 | 7月28日(日) |
---|---|
東京消防庁 | 9月7日(土) |
市町村 | 9月15日(日) |
政令指定都市 | 9月29日(日) |
一部の市町村 | 独自日程 |
見ての通り、9月に試験が集中していることがわかるのではないだろうか。
多くの高校生、卒業生が9月の試験に向けて1年から半年の期間を使って合格に向けて対策を行っているのだ。
では、どんな試験があるのか見ていこう。
高卒で受験できる消防官採用試験 内容は?
自治体によって内容は異なるが、多くは「教養試験」「個人面接」「体力検査」「作文試験」が実施される。
その他「集団討論」や「グループワーク」などが実施されている自治体もあるので、募集要項は必ずチェックしよう。
試験の種類をまとめると以下の通り。
教養試験 | 必須 |
---|---|
個人面接 | 必須 |
体力試験 | 必須 |
作文試験 | ほぼ必須 |
適性試験 | ほぼ必須 |
身体検査 | 自治体による |
集団討論 | 自治体による |
グループワーク | 自治体による |
消防官 教養試験
教養試験は「一般知能」と「一般知識」から構成される試験だ。
一般的に公務員試験とよばれる内容で「科目数が多い」といった特徴がある。
その驚きの出題科目数は15科目以上!
とても多いと思ったのではないだろうか。
具体的な出題科目は以下の通り。
一般知能 | 一般知識 | ||
---|---|---|---|
社会科学 | 人文科学 | 自然科学 | |
数的推理 | 政治 | 日本史 | 数学 |
判断推理 | 経済 | 世界史 | 物理 |
空間把握 | 社会 | 地理 | 化学 |
資料解釈 | 倫理 | 国語 | 生物 |
文章理解 | 英語 | 地学 |
一般知能
一般知能は教養試験の中で1番重要な科目だ。
理由は1科目あたりの出題数が多いからである。
例えば東京消防庁の出題数は全45問あるが、数的推理や判断推理は4~5問ずつ出題されている。しかし、日本史や世界史は1問しか出題がない。
点数を伸ばすなら圧倒的に数的推理や判断推理を勉強するしかないわけだ。
数的推理や判断推理がどんな科目なのか知らない人もいるだろうから、例題を載せておく。ぜひ、挑戦してみてほしい。
数的推理
A君が、国語、数学、英語、社会、理科の5科目のテストを受けた。どの科目も100点満点のテストで、A君のテストの結果が次のア〜オであった場合、社会の得点は何点か。
ア 国語、数学、英語の3科目の平均点は80点
イ 5科目全体の平均点は66点
ウ 国語の得点は69点
エ 数学の得点は英語の得点の8割
オ 数学と理科の合計点は100点
1 24 点
2 46 点
3 56 点
4 66 点
5 74 点
正解:4
判断推理
ある人が、ある週の月曜日から金曜日までの5日間、札幌、大阪、神戸、長崎、鹿児島の各都市に1日ずつ出張した。また、出張先のその日の天気を順不同で示すと、晴れ、晴れのち雨、くもりのち晴れ、くもり、雨であった。次のことが分かっているとき、都市名と、そこに出張した日の曜日又は天気の組合せとして最も妥当なのはどれか。
- 月曜日と鹿児島に出張した日の両日は、雨傘が必要だった。
- 神戸に出張したのは木曜日だった。
- 近畿地方では、雨傘は必要なかった。
- 水曜日は札幌に出張したが、くもりだった。
- 晴れのち雨の日は火曜日だった。
- 晴れの日は木曜日ではなかった。
1 長崎 火曜日
2 鹿児島 金曜日
3 大阪 くもりのち晴れ
4 神戸 くもり
5 長崎 雨
正解:5
解けただろうか?
一般知識分野
一般知識は一般知能に比べると馴染みのある科目ばかりなので勉強はしやすいはずだ。
しかし、上述したように出題科目がとても多いので対策に時間がかかってしまう。勉強をはじめる前に科目ごとの出題数などを確認して、出題数の多い科目を中心に勉強するようにしよう。
消防官 個人面接
消防官採用試験は就職試験なので必ず面接試験が実施される。
回数は多くて2回ほど。
「なぜ消防官になりたいのか」
「なぜこの市で働きたいのか」
「学生時代にがんばったこと」
などを深堀して考えておく必要がある。
最近は筆記試験よりも面接試験が重視される傾向にあるので気を付けておこう。
消防官 体力試験
消防官の仕事をイメージすればわかるが、かなり体力のいる仕事だ。
当然、体力がないと仕事はできないため受験者の基礎体力を確認する試験がおこなわれている。
しかし、プロレベルの体力がいるわけではないので安心していいだろう。
高校で体力テストがあったと思うが、内容はまさに高校の体力テストと同じである。
主な体力試験の項目は以下のとおり。
20mシャトルラン |
1,500m走 |
腕立て伏せ |
反復横跳び |
上体起こし |
立ち幅跳び |
体力試験も自治体によって項目は違うので実施要綱は必ず確認すること。
消防官採用試験の倍率
結論からいうが、消防官の倍率はかなり高い。
そのため本腰をいれた試験対策が必要である。
例えば東京消防庁Ⅲ類の3年間の倍率は以下の通り。
2018年 | 17.7倍 |
---|---|
2017年 | 20.0倍 |
2016年 | 18.5倍 |
消防官採用試験のまとめ
- 9月に試験が集中している。
- 教養試験と面接試験、体力試験などを実施
- 倍率は高い傾向にある
消防官の人気は高くなっているので、目指すなら早めの対策が望ましい。
しかし、部活動をやめたり、学校を欠席してまで対策をする必要はない。学校での出来事は面接試験で話さないといけないためだ。
文武両道をすることが合格への近道である。