高校生
と、いった質問に解答していく。
結論からいえば、高卒でも警察官になることは可能だ。
しかし、なりたいと思っても簡単にはなることができない。
警察官になる道はただ1つ。警察官採用試験に合格すること、それだけである。
これから高卒の警察官採用試験の詳細を書いていくので、警察官を目指す、興味がある人は参考にしてほしい。
具体的な内容はこちら
警察官採用試験とは
「警察官採用試験」とは、警察官になるための試験である。
各都道府県で年に1~2回ほど採用試験を実施しているので、働きたい都道府県の試験を受験しよう。
都道府県ごとに採用試験を実施しているので、どうしても警察官になりたい人は場所に関係なく受験してみよう。しかし、近隣の地域は同じ日程で試験があることが多いので、複数受験できても遠い自治体になることは覚悟しよう。
高卒で警察官になる。試験日程はいつ?
高卒が受験できる警察官採用試験は9月に集中している。
すでに高校を卒業している人は早期採用(10月)枠で受験することもでき、多くは5月に試験がある。しかし、すべての自治体で早期採用があるわけではないので注意しよう。
まずは一般的な高卒が受験できる採用試験日程は以下のとおり(2018年日程)。
北海道 | 9月17日 | 滋賀県 | 9月16日 |
---|---|---|---|
青森県 | 9月23日 | 京都府 | 9月16日 |
岩手県 | 9月16日 | 大阪府 | 9月24日 |
宮城県 | 9月16日 | 兵庫県 | 9月16日 |
秋田県 | 9月16日 | 奈良県 | 9月16日 |
山形県 | 9月16日 | 和歌山県 | 9月16日 |
福島県 | 9月16日 | 鳥取県 | 9月16日 |
茨城県 | 9月16日 | 島根県 | 9月16日 |
栃木県 | 9月16日 | 岡山県 | 9月16日 |
群馬県 | 9月16日 | 広島県 | 9月16日 |
埼玉県 | 9月16日 | 山口県 | 9月16日 |
千葉県 | 9月16日 | 徳島県 | 10月14日 |
警視庁 | 9月16日 | 香川県 | 10月14日 |
神奈川県 | 9月16日 | 愛媛県 | 10月14日 |
山梨県 | 9月16日 | 高知県 | 10月14日 |
新潟県 | 9月16日 | 福岡県 | 9月16日 |
長野県 | 9月16日 | 佐賀県 | 10月14日 |
富山県 | 9月16日 | 長崎県 | 10月14日 |
石川県 | 9月16日 | 熊本県 | 10月14日 |
福井県 | 9月16日 | 大分県 | 9月16日 |
静岡県 | 9月16日 | 宮崎県 | 10月14日 |
愛知県 | 9月16日 | 鹿児島県 | 9月16日 |
岐阜県 | 9月16日 | 沖縄県 | 10月14日 |
三重県 | 9月16日 |
つぎに早期採用枠がある自治体と日程は以下のようになっている。(2018年)
北海道 | 5月20日 |
---|---|
栃木県 | 5月13日 |
群馬県 | 5月13日 |
埼玉県 | 5月13日 |
千葉県 | 5月13日 |
神奈川県 | 5月13日 |
長野県 | 5月13日 |
愛知県 | 5月13日 |
京都府 | 5月13日 |
大阪府 | 5月6日 |
兵庫県 | 5月13日 |
岡山県 | 5月13日 |
広島県 | 5月13日 |
福岡県 | 5月13日 |
早期採用枠は実施が必ずあるとは限らないため、必ず実施要綱を確認すようにしよう。
高卒で警察官になる。試験内容は?
試験内容は都道府県によって違いはあるが、「筆記試験」「個人面接」「体力試験」は必ずあると思っておこう。
そのほか「作文試験」や「集団討論」などが実施されることもある。
大きくまとめると以下のようになる。
筆記試験 | 必須 |
---|---|
個人面接 | 必須 |
体力試験 | 必須 |
適性試験 | 自治体による |
集団討論 | 自治体による |
身体検査 | 自治体による |
作文試験 | 自治体による |
警察官採用試験の筆記試験
大阪府や北海道を除き「一般知能分野」と「一般知識分野」で構成された教養試験が実施される。
一般知能分野は数的推理や判断推理といった公務員試験で出題される試験科目で、数学的要素を多く含んだ科目だ。
これから例題をお見せするので挑戦してみよう。
数的推理
A君が、国語、数学、英語、社会、理科の5科目のテストを受けた。どの科目も100点満点のテストで、A君のテストの結果が次のア〜オであった場合、社会の得点は何点か。
ア 国語、数学、英語の3科目の平均点は80点
イ 5科目全体の平均点は66点
ウ 国語の得点は69点
エ 数学の得点は英語の得点の8割
オ 数学と理科の合計点は100点
1 24 点
2 46 点
3 56 点
4 66 点
5 74 点
正解:4
判断推理
ある人が、ある週の月曜日から金曜日までの5日間、札幌、大阪、神戸、長崎、鹿児島の各都市に1日ずつ出張した。また、出張先のその日の天気を順不同で示すと、晴れ、晴れのち雨、くもりのち晴れ、くもり、雨であった。次のことが分かっているとき、都市名と、そこに出張した日の曜日又は天気の組合せとして最も妥当なのはどれか。
- 月曜日と鹿児島に出張した日の両日は、雨傘が必要だった。
- 神戸に出張したのは木曜日だった。
- 近畿地方では、雨傘は必要なかった。
- 水曜日は札幌に出張したが、くもりだった。
- 晴れのち雨の日は火曜日だった。
- 晴れの日は木曜日ではなかった。
1 長崎 火曜日
2 鹿児島 金曜日
3 大阪 くもりのち晴れ
4 神戸 くもり
5 長崎 雨
正解:5
解けただろうか?
少し時間を使って考えれば解ける問題だと思うが、試験では1問あたり2分程度で正答をださなければ時間切れになってしまうので注意が必要だ。
一般知識分野
一般知識分野は中学、高校で勉強してきた国語、数学、理科、社会、英語から出題される。1度は見たことがある科目ばかりなので取り組みやすいのではないだろうか。
しかし、社会は「日本史」「世界史」「地理」「政治」「経済」から出題されるし、理科は「物理」「化学」「生物」「地学」から出題されている。
公務員試験は出題科目数が多いため、早い時期からの勉強が必要である。
警察官採用試験の個人面接
警察官採用試験は個人面接がとても重要である。
そのため面接時間も30分~45分あり、圧迫面接といわれる受験者の忍耐力や耐性を試すようないやらしい質問もよく聞かれている。
警察官は凶悪犯罪や危ない人間を相手にするため、少しのことで動じていると仕事ができない。そういった状況で自分の意見を堂々と話せるか、泣いたりしないかといったことを判断するために面接が行われているのだ。
「警察官になりたい理由」「今までがんばったこと」などを具体的に話せるように準備しておこう。
警察官採用試験の体力試験
警察官として体力があることは当たり前の条件だ。
そんな当たり前の条件を確認するために体力試験が実施されている。
内容は高校の体力テストでおこなわれるものと大差はない。
主な体力試験の項目は以下のとおり。
20mシャトルラン |
1,500m走 |
腕立て伏せ |
反復横跳び |
上体起こし |
立ち幅跳び |
体力試験も都道府県によって項目は違うので実施要綱は必ず確認すること。
警察官採用試験の倍率
採用試験を受験するうえで倍率はとても気になる数字の1つではないだろうか。
警察官志望者は年々、減っているため倍率も下がり続けているのが現状だ。
2018年(平成30年度)の試験で最も倍率が低かった地域は徳島県の2.2倍だ。
倍率が低いと選考でも良い人材を絞り込むことが難しくなるため、どの自治体も募集活動を積極的に行いつつある。
2018年(平成30年度)に実施された各地域の採用倍率を記しておく、参考にしてほしい。
男性警察官
北海道 | 6.4 | 滋賀県 | 6.9 | |
---|---|---|---|---|
青森県 | 6.0 |
|
6.5 | |
岩手県 | 4.9 | 大阪府 | 6.8 | |
宮城県 | 4.2 | 兵庫県 | 4.3 | |
秋田県 | 6.2 | 奈良県 | 7.4 | |
山形県 | 7.1 | 和歌山県 | 6.2 | |
福島県 | 3.1 | 鳥取県 | 2.8 | |
茨城県 | 4.0 | 島根県 | 2.8 | |
栃木県 | 4.0 | 岡山県 | 6.8 | |
群馬県 | 7.2 | 広島県 | 6.0 | |
埼玉県 | 22.0 | 山口県 | 3.7 | |
千葉県 | 3.8 | 徳島県 | 2.2 | |
神奈川県 | 4.2 | 香川県 | 7.7 | |
山梨県 | 7.1 | 愛媛県 | 2.7 | |
新潟県 | 3.1 | 高知県 | 3.3 | |
長野県 | 6.5 | 福岡県 | 7.9 | |
富山県 | 3.5 | 佐賀県 | 10.4 | |
石川県 | 5.7 | 長崎県 | 7.2 | |
福井県 | 3.1 | 熊本県 | 11.1 | |
静岡県 | 3.2 | 大分県 | 5.9 | |
岐阜県 | 4.6 | 宮崎県 | 3.5 | |
愛知県 | 3.9 | 鹿児島県 | 6.4 | |
三重県 | 2.9 | 沖縄県 | 13.7 |
女性警察官
北海道 | 7.3 | 三重県 | 4.7 |
---|---|---|---|
青森県 | 8.6 | 滋賀県 | 3.5 |
岩手県 | 5.1 | 京都府 | 13.0 |
宮城県 | 10.1 | 大阪府 | 14.8 |
秋田県 | 4.0 | 兵庫県 | 5.2 |
山形県 | 9.0 | 奈良県 | 4.8 |
福島県 | 4.4 | 和歌山県 | 3.1 |
茨城県 | 5.5 | 鳥取県 | 2.6 |
栃木県 | 7.5 | 岡山県 | 12.7 |
群馬県 | 15.6 | 広島県 | 9.0 |
埼玉県 | 15.5 | 山口県 | 5.7 |
千葉県 | 4.8 | 香川県 | 14.0 |
神奈川県 | 4.8 | 高知県 | 5.7 |
山梨県 | 5.5 | 福岡県 | 9.5 |
新潟県 | 6.4 | 佐賀県 | 21.8 |
長野県 | 7.4 | 長崎県 | 13.1 |
富山県 | 7.5 | 熊本県 | 11.5 |
石川県 | 9.3 | 大分県 | 3.9 |
福井県 | 3.1 | 宮崎県 | 4.4 |
静岡県 | 5.5 | 鹿児島県 | 5.8 |
岐阜県 | 8.6 | 沖縄県 | 10.3 |
愛知県 | 8.9 |
警察官採用試験のまとめ
- 高卒は9月~がメイン
- 試験は筆記試験、個人面接、体力試験はマスト
- 倍率は下がり続けている
高卒でも警察官になることがわかったのではないだろうか。
大卒警察官に比べると給料が少し低く、昇進できるポストに限界はあるが、国や市民を守るという大義に違いはない。
やることがわかったら合格に向けて行動をはじめよう。